弦の取り扱い方

今回は、弦の取扱いについてをお話したいと思います。

 

始めたばかりの方は、弓道をする際に弓を借りていた方も多いと思います。
教室が終わると弦を自分でかけなければなりません!
忘れてしまいそうになる弦のかけ方についてご紹介いたします。

 

まずは、下記の図をご覧ください。

 

弦のかけ方について

 

【弦輪の作り方のポイント】
1.よりをかけながら、三ツ頭をつくる。隙間ができないように気を付ける。

 

2.弦輪の大きさは弭(はず)の大きさに対して大きくても小さくてもダメである。
大きすぎると…
・行射(ぎょうしゃ)の間に弦がのびる
・横にずれてくる

小さすぎると…
引いているうちに弓の弭の根元の太い方へ食い込んで三つ頭(みつがしら)の所から弦が切れる。

 

3.もじりはよりをかけながら縄のごとく2~3回巻く。

 

4.何度も作り直してはいけない!弦輪づくりは手際よくしてください。

 

新しい弦は輪にして糸で縛り、天鼠(※1)で固めてある。まず糸を切り、弦が折れたり、よりが戻らないように平らに床などに軽く打ちつけてほぐしてから、輪の中へ弓をくぐらせ、下輪の上弭にかけ、弦を弓の前竹に添えながらのばして寸法を決めます。

 

赤い布で巻いた、上輪に作る部分を弓の関板(せきいた)の上にのせ左手でおさえ、関板と前竹の境目から約二センチ前後下がった所が上輪の三つ頭となる所です。
約二センチというのは、弓の反りの多少によって異なってくるので経験を積んで覚えることである。
ここを三つ頭として下輪と同じ形になるように上輪を作り、寸法が合うかどうか確かめてから上輪を上弭にかけ直して張り込む。

 

把(は)の高さ(握りの上部の位置での弓と弦の間隔)は好みによりまた弓の形によって、四寸六分(約十四センチ)から五寸(約十五センチ)くらいになるよう長短を調節する。
その弓の最もよい形の出る高さに決めるのがよいのである。
把の高さが高すぎると離れたとき、弦の振幅が小さくなり、矢を押す距離が短いので、矢飛びが悪く矢が下がる。
低すぎると矢飛びはよいが、手首内側を少し打つことがあります。

 

弦音もその弓に適当な把の高さで、初めてよい弦音が出ます。
把の高さを決めるときには弦をよくのばしてから決めないと、最初弓にかけただけでは弦の納まりが悪く、弦がしっくりなじむようになるまでは弦がのびます。

 

弦を下に床に弓を伏せて、上から弓を静かに二、三度押すと大体決まります。

 

わからない場合は、近くの指導者に必ずお聞きください。

 

もし、わからないことがあればご意見・ご要望よりお伝えください。

 

※1:【天鼠】(くすね・松脂を植物油で煮とかしたもの)